インスタのお友達が紹介していたことから出会った1冊
とても心を打たれたので、ご紹介させていただきます
ただ感動するだけはなく、猫のことを深く考えるきっかけになれば、と思います
皆さんはお外にいる猫にどんな印象をお持ちですか?
まずは私の猫への想いを語らせていただきます
私の幼い頃は、家の中と外を自由に行き来する猫がたくさんいました
ご近所さんとは仲良しで、みんなお外にいる猫たちを可愛がっており
そんな環境で育った私は、お外に猫がいることが当たり前で
お外の猫も、家の中の猫もみんな幸せに暮らしていると
大人になるまでは疑ったことすらありませんでした
今思うと、無知でお気楽なものでした
それが、たまちゃんと出会い、あるお寺の地域猫と出会い、お外の子と深く接していくうちに
お外にいる猫たちを取り巻く環境がそんなに良いものではない事を、遅ればせながら知りました
お外でただ懸命に生きる猫たちを疎ましく思う人がいるなんて
色んな考えの人がいるのは当然の事だけれど、ただ思うだけでなく
実際に猫に冷たくあたる人がいるなんて…
その状況を知ってからは、お外にいる猫を見て、ただ可愛いとだけ思うことは出来なくなりました
切なくて、胸が痛くて、何より愛しい
お外の猫は私にとって、そういう存在です
『なまえのないねこ』は
そんな、お外で暮らす名もなき猫の、切なくて、胸が痛くて、愛しい物語です
一人でも多くの方がこの本に出会って、お外で暮らす猫に優しい目を向けてくれますように
あらすじ
『なまえのないねこ』
竹下文子 文
町田尚子 絵
子猫の時からなまえもなく、外で暮らしてきた一匹のねこ
街を歩けば
人からなまえをもらって幸せに暮らすねこ達ががいて
いぬやはなにもなまえがあって
なまえのないねこは「自分もなまえが欲しい」と思い
自分でなまえを考えようとしますが、うまいこと思いつきません
そんなある雨の日、ひとつの出会いから
なまえのないねこは本当に欲しかったものに気づき、なまえとともに大切なものを手に入れる…
読み終わって
物語について
文章も物語もシンプルな内容で、だからこそ、心に響くものがありました
特別に飾り立てられた言葉や展開はなく
ただ、なまえのないねこが見ている景色と気持ちが語られていきます
その様子が実際にお外で暮らす猫たちと重なり、胸が痛くなります
そして、最後に本当の気持ちに気づき、幸せを手にいれる
良かった、と感動する気持ちと共に
重ねたお外の猫たちにも等しく同じように幸せになって欲しいと、切なくなりました
上手く言えないのですが、本当に心に響くのは、ドラマのように飾り立てられた言葉や作り込まれたものではないのだと思いました
絵について
とても引き込まれる絵でした
どの猫の絵を見ても、その表情や佇まいに、私の知っている猫の誰かと面影が重なりました
絵を描いている町田尚子さんは、家族に猫がいらっしゃるようですが
よく、猫のことを知って、見ている方なんだろうなと感じさせる絵で
表紙の絵は特にたまちゃんと重なるものがありました
子供も大人も、みんなに手に取って読んで欲しい一冊です
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